もっちゃり、ねばねば マスター名:龍川那月

形態
ショート
難易度
普通
ジャンル
奪還
人数
68
相談期間
3
プレイング締切
08/30 24:00
完成予定
09/19 24:00


 ライセンサーが到着した時、施設内はパニックに陥っていた。
 なんとか職員を捕まえ詳しい話を聞くと、開発しているシステムに使用する部品がいくつか奪われたのだという。
 逃げる職員たちに話を聞きながら最後に目撃された部屋へ行くと、そこには人の倍の大きさはありそうなスライムの姿があった。
 こいつがこの施設を襲ったナイトメアで間違いないと武器を構えるライセンサー達にゆっくりと振り返るスライム。半透明の全身には奪われたパーツやパーツの残骸と思われる欠片が埋まっているのが見える。どうやら体内に取り込んだパーツを消化し破壊しているようだ。
 また、その向こうには窓も見える。そこから逃げる算段だろう。
 させるか、と同行していたライセンサーが遠距離から攻撃すると、その体に大きな穴があきそこから部品が1つ吐き出された。部品はそのまま転がり貴方達の足元近くで止まる。
 けん制しながら部品を拾い上げナイトメアの方を見ると、もちゃっと粘性のある水が揺れるような音と共に先ほど開けた穴は塞がっていくが見えた。顔らしきものがないのでよくはわからないがあまりダメージは与えられなかったようだ。
 ナイトメアは先程までのゆっくりとした動きに似合わない程素早い動きでふるふるっと震えると、それを返せとばかりに体液を吐き出した。
「うわっ?!」
 先程攻撃したライセンサーが、予想外の速さに不意を突かれ体液につかまってしまう。何とか脱出しようともがくが、とりもちのようにねばねばとした体液は、あっという間に体中に広がり身動きが取れなくなってしまった。
 ナイトメアをけん制しながら仲間を助けようとする貴方達にライセンサーの檄が飛ぶ。
「俺のことはいい!あいつを逃がすな!!」


●目標
 6ターン以内にスライム型ナイトメアを倒す、もしくは部品を3つ以上奪い返す。

●敵
 スライムに似た不定形のナイトメアです。体には回収可能な部品があと5つ埋まっています。
 一定のダメージを与えるか、その部分に上手くダメージを与えることが出来れば部品を取り返すことが出来ます。
 ナイトメアは、これ以上部品を奪い返されまいとライセンサーに攻撃しながら窓の方へ逃走を試みており6ターン後に逃走します。
 この部屋は地上30階にあるため窓の外へ逃げられた場合、破壊されるまでに部品を奪還することは困難になります。
 また、ナイトメアが不定形なため、逃亡を阻止しようとしても少しでも隙間があれば形を変えて逃亡してしまうでしょう。

 ナイトメアは通常攻撃のほかに体液を飛ばして攻撃してきます。

・体液攻撃
 単体命中。遠距離攻撃
 体液を飛ばして攻撃してきます。
 命中すると【行動不能】(5)を付与されますが、回避を意識していれば殆ど避けられるでしょう。
 攻撃力はほとんどありません。


■プレイング 心情
倒しにくそうな相手だけど頑張って倒してみるよ

目的
部品を取り戻す事を優先だけどできるだけスライムを倒せるように頑張るよ

行動
部品を取り返す為に部品のある部分に集中攻撃を行っていくよ
又味方との連携も考えて行動するよ
距離が遠い場合は移動攻撃を使用して距離を詰めながら攻撃していき
「残念だけど逃がさないよ」
距離が近ければライトバッシュを使い的確に部品がある場所に攻撃する
「奪ったものは返させてもらうよ」
もしも逃げられそうな時は武器を投擲してでも最後まで攻撃して倒せるように頑張るよ
「そう簡単には逃がさないよ!」
相手の攻撃に関して体液攻撃に警戒しながら攻撃を優先するようにするよ
【心情】
「初めての仕事だし全力で頑張るぞ」

【目的】
スライムの撃破と部品の回収を目的に参加する。

【行動】
集中攻撃をして部品を取り返す。
部品の保護をしつつ攻撃を継続、行動不能者が半数以上なら回収を優先、以下なら撃破を狙う。

体液を飛ばしてくるのを気をつけて回避を意識する。
「奪ったものは返してもらうよ」
●目的
ナイトメアを倒して、部品を取り戻しますわよ!
誰かが、もっちゃりねばねば状態になったとしても…涙をのんでナイトメア討伐&部品回収を優先しますわ!

●全体方針
1、集中攻撃で部品取り戻し
2、部品を保護しつつ攻撃継続
3、行動不能者が半数以上なら部品3以上確保優先、以下なら撃破狙い
戦闘はこの流れで行う。

●行動
自分の位置が味方の行動の邪魔にならない事を確認。
遠距離攻撃で戦う為、必要以上には近づきませんわ。
先輩ライセンサーのような無様な姿は避けたいので、移動攻撃は控えますわ。
スライムに対してフォースアローを使用し、ダメージを狙いますわ。
物理よりも知覚攻撃が効くようであれば、継続して攻撃。
知覚攻撃が効かなければ、銃に持ち替えて攻撃を行いますわ。
先に倒れたライセンサーに動けるようになったら援護射撃をするようにお願いしましょう。
攻撃をしながら、スライムに核のような物が存在していないか観察してみましょう。
発見できれば、そこを狙ってみますわ。
素早い動きでふるふるっと震えると体液を飛ばすのかしら?
攻撃の前兆があるなら、回避は容易いですわね!

●部品
部品の位置情報がわかった方が戦いやすいのではなくて?
部品が飛び出したのを確認したら、どこに落ちたかを皆に連絡しますわ。
部品が近くに転がってきたなら、攻撃の合間にスライムから離すように蹴り出します。
撃破を狙う感じに動きます。今回はシナリオの動きを見るつもりなので、難しい指定はありません。
〇心情
俺自身はほぼ成行きでライセンサーになった
だから俺自身が戦う理由はまだ分からない
……俺自身も俺が分からない時があるんだ

だけど戦わなくちゃいけない
それは分かる

だから『お前』の力を、意思を借りるぜ

昔演じた事があるマイナーだけど
敵と戦うヒーロー
メインの赤色ではなく、仲間をサポートする緑色の『あいつ』に成り切って戦う

〇目的
奪われた部品の回収を優先
次に敵の撃破

〇準備
回収した部品を仕舞えるような腰に下げられる袋(三千円以内でコンビニで買えた物)を人数分用意
袋の用途を予め仲間に提案
手が部品で塞がってちゃ戦えないもんね
戦闘前にまだ近くに一般人がいるようなら避難を呼び掛ける

〇行動
戦闘の前に室内に負傷者がいないか目視で確認
いれば仲間に伝え避難させる

敵との戦闘に入ったら基本は全体の方針に沿って行動
部品の回収を優先して攻撃
但し仲間の攻撃の邪魔にならないよう注意する

敵の攻撃は回避を意識
行動不能者が襲われてたら間に入って庇う
「お前の相手はオレだ!」

袋に入れられず床に転がった部品があれば
余裕があれば回収
なければ敵から遠ざけるように蹴る
仲間がそれ踏んで体勢崩したら大変だもんね
○心情
「あのねばねば、厄介そうですねー。油断しないようにいきましょうか
○目的
部品奪還
ナイトメア撃破
○行動
可能な限り自身の射程内にナイトメアを収めて撃つ
敵味方の動向観察
味方の位置関係に注意し、回避困難な程密集しないよう気を付ける
敵の攻撃は可能な限り避ける
特に体液攻撃。眼鏡の天敵
味方以外の遮蔽物があればそちらも利用
リロードや部品回収する味方がいればポイントショットで援護
囮目的の味方に敵の注意が惹き付けられた時を狙って攻撃

ナイトメアを集中攻撃
メイン武器の残弾がなくなったらサブ武器のオートマチックBD4SPに変更
6ターン以降も戦闘続行であれば連弩→ハンドガンと武器変え撃つ

ナイトメア逃走時
部品の回収度合いに関係なくナイトメアを撃つ
部品残りあれば部品部分を狙い回収
窓の破壊に注意
ポイントショット残っていればそちらも使用
「部品と命、置いていってくださいね?

部品が自身の近くに転がってきたら素早く回収
再度ナイトメアが取り込もうとしたら撃ってけん制

ナイトメア撃破後
取り込まれていた部品を破壊されたものも含め回収
粉々でなく、ある程度形が残っているものは直せないかと確認を取る

アドリブ歓迎
さておしごt...殺戮をはじめるか

目的・スライムを殺す、もしくは部品を奪い返す

一ターン目にパワークラッシュ。もしさほどダメージが入らなかったら武器で部品をバッティング感覚で弾き出すこと優先に。そうじゃなかったらパワークラッシュでぶっ殺す。回避はちゃんとする。そうじゃなかったら殺せないもん。
【心情】
「部品、一つでも取り返すぞ…。」

【行動】
仲間と攻撃タイミングや箇所を重ねて
協力連携し、集中攻撃を仕掛ける。

スライムから片時も目を離さず、
(※敵をしっかり見ておくことで動きの予測に生かし
 回避のしやすさに繋げる)
敵からの攻撃を回避するように動く。

敵を見て部品を目視できたらそこを的確に狙い撃つ。
(敵が攻撃を受けて動きが鈍っている瞬間を狙う)

部品が落ちた時点で素早く回収及び保護。
保護した時点で回避に専念。

●部品を取り返した際、敵から狙われた場合。
逃げ場がない方面への誘導を試みつつ回避。
他の仲間への意識を逸らす。

●閉めた窓の隙間から敵が逃げる場合を想定。
部品が室内に落ちる可能性はないか?
落ちた場合→回収し、足で蹴るなりして
敵から離れた場所に確保。

以上のことを繰り返し行うことによって
部品奪還及び撃破を狙う。


「そうはいっても……大丈夫ですの?」
 ライセンサーの檄にもトレーニア(la0914)が少し心配そうな声を出す。
「動けないだけでダメージはなさそうだ。問題ない」
 その言葉にほっと胸をなでおろす一同。
「それじゃあ、頑張ってスライムを倒そうか」
 初めての任務の山神 水音(la2058)は緊張を隠すために自信ありげに声を出した。
「あのねばねば、厄介そうですねー。油断しないようにいきましょうか」
 中性的な声とともに濡烏 夜見(la0107)もナイトメアの方へ視線を移す。
 だが、そこから動けない。部品を取り返そうと攻撃してくるとはいえナイトメアの後ろは窓。
 いつ逃げられるとも分からない状況に全員の表情に若干の迷いが見える。
 部品の奪還を優先するべきか、撃破を目指すか。
「ヤヤは部品回収の優先を提示するよ!」
 緊張が走る中、海村 八野(la2007)が声を出した。
「理由は簡単、敵がバカじゃない。何故なら逃走しようとするから。逃走するという事は、敵は私達にやられるまで攻撃してこない。それは自身の限界を知っているから出来る事だね。限界を知っている奴がゆったりしているはずもない」
 ナイトメアの体の中にある部品の残骸を指さし、
「恐らく相手の狙いは部品の破壊だろうね。なんでかは知らないけど、何かしらある。部品さえとりだせば、敵は大失敗。敵は倒せずとも、目に見えない損害を与えられるはずだよ」
 自分の体から出た部品を拾ったライセンサーを攻撃してきたことを考えると的を射る考えに感じられた。
「周りに逃げ遅れた職員さんはいなかったです。それから、部品の回収にはこれ使ったらどうかなって。腰に下げられるから手も空くと思うんだけど」
 周囲を見回りに行っていた三好悠莉(la0566)が粘液攻撃でライセンサーの手からこぼれた部品を事前に用意していた袋に入れながら戻ってきた。ナイトメアに視線を定めたまま全員に袋を配る。
「先輩、動けるようになったら援護射撃をお願いしたいのですけれど可能かしら?」
「分かった。といいたいところだが、いつ動けるようになるか分からないし武器を取り落として丸腰だしだ。戦闘には参加出来るかは微妙だな」
 トレーニアの声に同行したライセンサーはすまない、と返した。
「よし。部品、一つでも取り返すぞ……」
 汐見 奏佑(la0215)の落ち着いた声に山神が頷く。
「部品を取り戻す事を優先だけどできるだけスライムを倒せるように頑張るよ」
 全員が武器を握る手に力を込めた。



「さておしごt……殺戮をはじめるか」
 朱槻 南(la0703)が結んでいた髪を解き、先制攻撃とばかりにナイトメアへパワークラッシュを叩き込む。
 金色に輝く細身の刃が彼女の殺意をまとい、ナイトメアの身体に深く沈み込んだ。
 先程まで確かに青かった瞳が赤く見える。
 先ほどまでのおっとりとして落ち着いた彼女とはまるで違う口調がその瞳と相まって彼女を別人のようにも見せる。
 部品近くまで到達したスタークレイモアSPの斬撃に合わせるように汐見が飛鳥翔を引き絞る。
 鳥が飛翔するように鋭い音を立てながら飛んでいった矢が確実に部品周辺の体液を削り取っていく。
 もちゃもちゃとさざ波にも似た音を立て形を整えながらナイトメアの視線が2人の方へ向く、といっても実際にそっちを向いたかは目のないその姿から分からないが。
 その機を逃さず別方向の物陰、濡烏の手の中でオートマチックBD4SPが火を吹く。
 放たれた弾丸は部品横に綺麗に穴をあけた。
「奪ったものは返してもらうよ」
 弥刀 翔(la0522)が逃げられたら周囲に被害が出るかもしれない、とその穴を広げ部品を押し出すように全身全霊でフォースアローを撃ち込む。
 初めての実践で緊張はあるが、そんなことも言っていられない。
 決意に固められたイマジナリードライブの矢によって部品が押し出されるように表面へと出てきたのが誰の目からも見えた。
「そこだね!」
 その部分へ狙いを定めると山神は少し緊張する手に力を込めライトバッシュを放った。
 日々の鍛錬の成果だろう彼女が突き出したチャージングランスSPは的確な位置を穿ち体液を弾き飛ばした。
 粘性のある体は確実に削られ確実に部品は少しづつだが表面へと露出していく。
 あと少しというところまで押し出された部品をトレーニアが放ったフォースアローの矢が狙い撃つ。
 周囲の体液が吹き飛び、弾き出されるように部品が転げ出た。
「海村さん!そっちへ行きましたわ!」
「わかったっすよ」
 トレーニアの声に、部品回収へ動く海村。
「お前の相手はオレだ!」
 スライムも奪還しようと体を伸ばす。
 そこへ三好が割って入り立ちふさがった。
(戦わなくちゃいけない。それは分かるだから『お前』の力を、意思を借りるぜ)
 成り行きでライセンサーになった三好には戦う理由がはっきりあるわけではない。
 それでも、昔演じた事のある緑色の『あいつ』。
 メインの赤色じゃなかったけれど仲間をサポートする心優しいヒーローならきっとこうする。
 彼になりきった三好の身体の動きはまさにヒーローのそれだった。
 ライトバッシュ。
 狙いを定め振り下ろされたザンクツィオンハンマーが伸びた敵の身体を叩きつけその体液を床へと飛び散らせる。
 三好の背に守られナイトメアの視線から外れた海村はさっと部品を袋へと回収した。
「ヤヤさん、回収……うわっ?!」
「三好ちゃん!」
 ナイトメアが素早く体を震わせたのは海村の回収完了を確認しようと三好がナイトメアから意識を離したほんの一瞬だった。
 三好を襲う体液に向けて放たれた海村の銃撃。
 三好は回避しようと体を動かす。
 海村も援護しようとスコープを覗き体液を狙い撃つ。
 しかしどちらも間に合わない。
 体液はあっという間に三好を覆い動きを封じてしまう。

(三好さん……でも、ここは涙をのんでナイトメア討伐&部品回収を優先しますわ!)
 三好の姿を見たトレーニアはくっと唇をかみしめナイトメアの方へ向き直る。
 次の犠牲者が出る前に核や弱点を見つけ出そうと観察を再開した。
「核や弱点はなさそうですが……物理攻撃より知覚攻撃の方が効くようですわね」
「まったく……手応えねぇ物体だなぁ? ……ぶっ殺しがいがねぇ……攻撃が効かねぇならたたき出してやらぁ……!」
 朱槻は独りごちると、海村の弾丸が開けた大きな穴めがけ攻撃を仕掛ける。
 その穴の奥にある部品を叩き出そうという考えだった。
 言葉はなかったが、意図を理解した弥刀のフォースアローが追撃をかける。
 ほとばしる体液の中、部品の一部がナイトメアの身体から顔を出した。
「今ですね」
 濡烏が一気に集中力を高めオートマチックを構える。
 そのまま息を吐きポイントショットを叩き込むと、狙いすましたその攻撃にはじき出される様に部品が転がり出た。
「こっちだよ」
 ナイトメアが部品へと身体を伸ばそうとしたのを見て山神がライトバッシュで伸びた体を圧し切る。
 動きが中断されればそちらに意識が向くのは先程の攻撃でわかっている。
「ありがとうございますわ!」
 そう言いながらトレーニアは部品を後方へと蹴り出すとフォースアローを放ち体液攻撃を牽制する。
 山神が気を引いてくれていれば部品を拾うことは出来た。
 だが、遠距離攻撃を得意とする者が多い中これ以上の前衛が行動不能になることは避けなくてはならない。
 そう考えた上の行動だった。

 動けなくなった三好は何とか早く脱出できないかともがきながらも身体に残された部品を観察する。
 戦闘しながら破壊されてしまうのなら部品を回収する意味でも急がなくてはいけない。
 だが、攻撃に集中しているせいか、体内にある残り3つの部品が消化されている様子はない。
「戦いながらだと部品の破壊は出来ないみたいだよ!」

(……小さくなったか?)
 三好の声を聴きながらナイトメアから片時も目を離していなかった汐見は別のことを思っていた。
 最初に対峙していた時は敵の体越しにしか窓は見えなかったはずの窓ガラス。
 それが全てではないが直接見えるようになっている。
「敵は確実にダメージを負っている。このままなら倒せるぞ」
「全く効いてねぇってわけじゃねえのか……オラオラ!!俺をもっと楽しませろよザコがァ!!」
 汐見の言葉を聞いた朱槻が殺意を込めて大剣を握りなおす。
 パワークラッシュ。
「そこだ」
 部品が半分ほど表面に出てきたのを汐見は見逃さない。
 狙いすませ弓を放つと矢じりに弾かれた部品が空中へと投げ出された。
「汐見さん」
 とっさに手を伸ばす汐見。
 これ以上奪わせてなるものかと体液を飛ばそうと震えるナイトメア。
 これ以上の犠牲者を出すまいと濡烏の銃口が吠えポイントショットが放たれる。
 その固い意志をまとった弾は震えが一番大きい部分に命中した。
「ありがとう」
 無事キャッチした汐見を見て濡烏は小さく頭を下げた。
「震えが大きな部分へ攻撃すれば体液が飛ばせなくなるようですわ」
 観察していたトレーニアが声を上げると全員が頷いた。
 もちゃりと音を立て身体にあいた穴を塞ぐナイトメアはここまでの攻撃によって子供くらいの大きさにまで小さくなっていた。

「もう少しだ」
 残る部品は1つ。
 もがきながらの三好の言葉に全員が気合を入れなおす。
「オラオラ!!俺をもっと楽しませろよザコがァ!!」
「ほら、こっちだ」
 朱槻の猛攻に反撃しようとするそちらへ体を伸ばし始めるナイトメア。
 急にその動きが止まる。
 別方向にはその気を引くかのように手に入れた部品をわざと見せながら挑発する汐見の姿があった。
 迷っているかのように伸びたままゆらゆらと数度揺れた身体はどうやら汐見へ狙いを定めたようだった。
(これで仲間への意識を反らせるかな)
 その様子に汐見は少しだけ口角を上げる。
 そのまま窓から少しでも離そうと逃げ場のない方向へ誘導しようとするがナイトメアは窓の前から動かない。
 そして、汐見の方へ体の一部を伸ばしたままふるふるっと身体を震わせた。
「そうはさせないよ」
 山神のライトバッシュと弥刀、トレーニア、海村の遠距離攻撃が体液攻撃を封じ込める。
 1点に集中した攻撃はナイトメアの身体をかなり飛び散らせた。
 さらに小さく赤ん坊程度の大きさになったナイトメアは最後の部品を自ら吐き出すと窓の隙間へと身体を伸ばした。
「残念だけど逃がさないよ」
「部品と命、置いていってくださいね?」
「逃がすかァ!!!」
 だが、濡烏のポイントショット、山神のライトバッシュと朱槻のパワークラッシュがそれを許さない。
 3人の一斉攻撃にナイトメアはシュゥゥゥーッと音を立てると動かなくなった。



「……倒せたのかな?」
 弥刀がナイトメアだったものへ目をやる。
 山神も警戒しながらランスでつつくがその体は水音を立てるだけでピクリとも動かなくなっていた。
「うん、何とかなって良かったよね」
 山神のその言葉に、赤みを帯びて見えていた朱槻の瞳が藍色に戻る。
「あれ……あれれ……もう終わった……のですか?」
 どうやら戦っている間の記憶はないようだ。
「なにしてるんですか?」
 ナイトメアの残骸から何かを拾っている濡烏に、ねばねばから脱出した三好が声をかける。
「破壊された部品を拾っています。直せそうなものを職員さんに渡そうと思いまして」
 そう言って見せる手には部品だったと思われる欠片がのっている。
「他のナイトメアもいなさそうだしヤヤちゃんも手伝うっすよ」
 周辺を見回ってきた海村がそう言ってしゃがみ込むと、奪還した部品の状態を確認していた汐見も加わった。
「今後もこんな感じでうまくいきたいよね」
 同じく欠片を拾いながら笑う山神。
「でもねばねばしたのはやっぱり嫌かな」
 そうだね、と弥刀が苦笑し尻尾や身体に体液が手に触れないようにしながら欠片を拾い始める。
「あっ、そうだこの後どこか食べに行く? ♪」
「いい案だなと思うけど、僕はその前にこれを落としたいかな」
 朱槻の提案に今回唯一犠牲者になってしまった三好はまだ少し身体に残る体液に視線を落としながらぼやいた。

成功度
大成功

MVP一覧

重体者一覧

重体者はいませんでした。

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